専門式場(ゲストハウス)がレストランをはじめる裏事情とは?

ゲストハウスと言えば、海が見えるチャペル、プールがある披露宴会場、豪邸を思わせるロビーなどロケーションを生かした会場が多いですよね。そんなゲストハウスですが、一部の会場ではレストランとして一般開放しているケースもあるのです。

実際、テレビなどのメディアでも取り上げられることが多くなったので、「へー、結婚式場でランチができるんだ!」と思われる方もいるでしょう。

しかし、なぜレストランとして営業するのでしょうか?

今回はゲストハウスとレストランの関係について解説していきましょう。

オフピークの有効活用

みなさんご存知のように結婚式は土日祝日に行なわれるのが一般的ですので、「休日がピーク」「平日はオフピーク」となります。

オフピークと言えども、前撮り・お客様との打ち合わせ・グラスやフォークナイフを磨き次回の披露宴に備えるなど細かな業務が多々あるのですが、それでも社員が多い式場だと”人余り(遊兵)”が生まれてしまいます。

また、チャペルや披露宴会場もオフピークは非稼働となるため収益は生まれず、逆に光熱費が生じるだけとなります。

そうなると経営者としては「もったいない」と言う心理が働くわけです。

そこで注目されたのが「レストラン」です。

ロケーションや厨房と言ったハード面、調理やサービススタッフなどのソフト面、この両者を結婚式がある土日祝日だけに活用するではなく、オフピークの平日にも投入し「余すことなく活用しよう」と言う発想からレストランを始めるわけです。

話題性を狙っている!?

「ホテルのレストランでランチ」と言うこと自体は至ってシンプルですので話題性に乏しいのですが、これが「結婚式場でランチ」となると多少なりとも話題性が生まれますよね。

これがTwitterやFacebookなどのSNSを通じて拡散すると多少なりとも宣伝効果が生まれます。また、その話題を聞いたテレビや雑誌などから取材申込みがあればタダで会場を宣伝できるわけですから一石二鳥となるわけです。

一般的に結婚式場の成約率はほぼ一定ですから、見学に来るカップルが多ければ多いほど成約数や売り上げも比例して多くなるわけなので宣伝は欠かせません。

つまり、「話題性(プレスリリース)のために営業する」と言うことです。

スタッフのスキルアップ!

レストラン・ホテル・ゲストハウスと式場の型式は異なっても給仕サービスは共通のマナーに基づいて行なわれます。

しかし、レストラン・ホテルスタッフは結婚式以外でも、ランチ・ディナー・パーティーなど、サービスに携わる機会が多いのに対し、ゲストハウスのスタッフは結婚式以外でサービスに携わることは多くありません。

自然、レストランスタッフ・ホテルスタッフ・ゲストハウススタッフと、給仕に携わるスタッフの技量に差が生じて来ます。よく、「ホテルスタッフはサービスに無駄がなくスマート」と言われるのは、様々な層の顧客と接する機会が多い側面があると言えます。

もちろん、給仕スタッフだけではなく調理スタッフにも同じことが言えるため、スタッフのスキルアップを目的としてレストランの営業を行う事業者も少なくありません。

料理を試食できるメリットも!

このように書くとビジネス目線に感じられるかもしれませんが、利用客もメリットがあります。

それは「会場の雰囲気を体感でき、料理を試食できる」と言う点です。

普段、式場の料理を試食する機会はほとんどありません。また、試食会があっても周到に準備された元での開催されますから”普段の料理やサービス”を見ることはできません。

しかし、レストランとして営業する場合は日常業務の一環として行われるわけですから、より自然なサービスを目の当たりにすることが可能です。それに、食材や調理法などは結婚式のコース料理に近い内容となります。(そのほうが食材管理や調理ラインなど効率がいいですからね。)

もし、気になる式場がレストランとしても営業しているのであれば、下見と試食を兼ねて堂々と訪れることができるわけです。もちろん、ランチタイムのお客として行くわけですから、ウェディングプランナーの営業に巻き込まれる心配もありません。

レストランで営業することは経営危機の前兆?

さて、ここまでは主にメリットについて解説しましたが、デメリットについても少し触れておきましょう。

先程も説明した通りレストランとして営業することは事業者の経営方針が大きく関係します。

特に収益が生まれず費用だけ生まれるオフピークの有効利用がその目的なのですが、実は「平日レストランとして営業しないと経営が厳しい」と言うことも考えられるわけです。

イメージ産業であるため経営状態が表に出ることはありませんが、もしかしたら自分が結婚式を挙げる(挙げた)式場が倒産して無くなるという可能性もゼロではありません。

正直、私がマネージャーとして「あのゲストハウスがレストランとして営業を開始した…」と言うニュースを聞いたときは、この可能性(経営危機)が真っ先に過りましたね。

「オフピークもハード(設備)とソフト(人)を有効活用するために営業するのか?」
「経営が厳しいので少しでも売り上げを確保したいために営業するのか?」
「自社スタッフのスキルアップのために営業するのか?」

いずれにせよ、ゲストハウス(専門式場)がレストランを始めると言うことには”何らかの事情”が隠れているわけです。

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